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M&Aでは、基本合意を締結した後、最終契約に進む前に「デューデリジェンス(Due Diligence:DD)」を実施することがあります。
DDというと、
「財務や法務の問題点を専門家が調査するもの」
というイメージを持たれやすいですが、本質はもう少しシンプルです。
DDの基本的な目的は、買手がこれまで売手から開示された情報が正しいのかを確認し、最終的な投資判断を行うことです。
基本合意の段階では、売手と買手の間で、買収価格やM&Aスキームなどについてある程度の条件が合意されています。
言い換えれば、
「これまで開示された情報が正しいのであれば、この条件を前提としてM&Aを進める意思がある」
というところまで交渉が進んでいるわけです。
しかし、その判断の前提となった情報は、基本的に売手や対象会社から開示されたものです。
買手はDDを通じて、こうした点を確認します。
一方、M&A交渉という実務的な側面から見ると、DDにはもう一つの役割があります。
それが、対象会社の問題点やリスクを発見し、買収価格やその他の取引条件を再交渉する材料を見つけることです。
また、DDはすべての項目を同じ深さで調査すればよいわけではありません。
人材獲得を目的としたM&Aであれば人事・労務DDの重要性が高くなり、不動産を多く保有する会社であれば不動産や法務面の確認が重要になるなど、買手の投資目的によって調査すべき内容は変わります。
本記事では、M&AにおけるDDとは何か、何のために行うのか、どのような種類があるのか、何を調査すべきなのか、さらにDD結果を買収価格や最終契約へどのように反映するのかまで実務的に解説します。
デューデリジェンス(DD)とは、M&Aにおいて、主に買手が対象会社の財務・税務・法務・事業・人事労務などの実態を調査するプロセスです。
中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第3版)」でも、DDについて、主に買手が売手側の財務・法務・ビジネス・税務等の実態を、FAや士業等の専門家を活用して調査する工程と整理されています。また、譲渡対価の精査や、判明した実態を踏まえた事業改善などを目的として行われるとされています。
実務上、DDの役割は大きく分けると次の4つです。
特に重要なのが、基本合意までに買手が行った判断の前提を検証することです。
たとえば、売手から、
「年間EBITDAは5,000万円です」
「重要な訴訟はありません」
「主要顧客との取引は今後も継続する見込みです」
と説明され、それらを前提として買手が2億円程度の株式価値を想定したとします。
基本合意を締結した段階では、
「これまで開示された情報が正しいのであれば、この条件感でM&Aを進める」
という状態です。
そこでDDを実施し、その前提が本当に正しいのかを確認します。
問題がなければ、基本合意時の条件をベースとして最終契約へ進みます。
一方、問題が発見されれば、
といった対応を検討します。
したがって、DDとは単なる「会社の健康診断」ではありません。
基本合意までに形成された投資判断の前提を検証し、最終的に「この会社を、この条件で買うのか」を判断するためのプロセスと考えると分かりやすくなります。
デューデリジェンスは英語で「Due Diligence」と表記され、M&A実務では一般的に「DD」と略されます。
中小企業庁では、M&AにおけるDDを、主に買手が売手側の財務・法務・ビジネス・税務等の実態について、FAや士業等の専門家を活用して調査する工程と説明しています。
一般的なM&Aプロセスでは、
NDA締結
↓
情報開示
↓
初期検討
↓
意向表明
↓
基本合意
↓
DD
↓
最終条件交渉
↓
最終契約
↓
クロージング
という流れで進みます。
前の記事で解説した基本合意は、買手がDDへ進む一つの区切りとなります。
基本合意で一定の条件感を確認し、売手から買手へ独占交渉権を付与したうえで、買手が費用をかけて対象会社を詳しく調査するという流れです。


DDの目的を理解するには、基本合意との関係から考えると分かりやすくなります。
基本合意までの段階で、買手は対象会社について一定の情報を受け取っています。
たとえば、
などです。
買手はこれらの情報をもとに対象会社を評価し、
「この会社であれば買収を検討したい」
「価格は2億円程度であれば検討できる」
と判断します。
つまり、基本合意まで進んでいるということは、少なくとも一定の前提条件のもとでは、買手がM&Aを前向きに検討できる状態にあるということです。
ただし、その判断には大きな前提があります。
「これまで売手から開示された情報が正しいこと」
です。
そこでDDを行います。
たとえば決算書に年間5,000万円の利益が記載されていたとしても、その数字だけを見て終わるのではありません。
売上は実在するのか。
一過性の利益が含まれていないか。
オーナー関連取引によって費用が歪んでいないか。
回収困難な売掛金はないか。
不良在庫はないか。
計上されていない債務はないか。
こうした点を確認し、これまで投資判断に使用してきた情報と実態との間に大きな差がないかを検証することがDDの基本的な役割です。
ただし、DDを単純な答え合わせと考えるのも適切ではありません。
売手から開示された情報自体は正しくても、その情報から新たなリスクが見えてくる場合があります。
たとえば、
「最大顧客が売上高の40%を占めている」
という情報自体が正しかったとします。
虚偽ではありません。
しかし買手から見れば、
「この顧客との取引が終了した場合、会社の業績が大幅に悪化する」
というリスクが見えてきます。
同様に、
など、情報自体に誤りがなくても、投資判断上重要な問題が発見されることがあります。
そのためDDでは、
「開示された情報は正しいか」
に加えて、
「その情報からどのような投資リスクが存在するのか」
まで分析する必要があります。

DDには、投資判断のための確認という正面の目的があります。
一方、M&A交渉という実務的な観点では、対象会社の問題点やリスクを発見し、取引条件を再交渉する材料を得るという側面もあります。
端的にいえば、「あら探し」という側面です。
もちろん、問題のない会社に対して無理に問題を作り出すという意味ではありません。
しかし買手としては、DDで発見された事実をそのままにして、基本合意時と同じ条件で買収する必要もありません。
たとえば、基本合意時の想定株式価値が3億円だったとします。
その後の財務DDで、
が判明したとします。
これらが企業価値や株式価値に影響すると判断すれば、買手は基本合意時の3億円から価格を引き下げる交渉を行う可能性があります。
法務DDで重大な訴訟リスクが見つかった場合には、価格ではなく表明保証や補償条項によって対応することもあります。
つまりDDによって見つかった問題は、最終条件交渉の材料になります。
DDで問題が発見されたからといって、すべて買収価格から差し引けばよいわけではありません。
問題の性質によって対応は異なります。
たとえば、100万円の未払債務が確定しているのであれば、価格へ反映しやすい問題です。
一方、
「将来、訴訟になる可能性がある」
「重要顧客との取引が終了する可能性がある」
といったリスクは、単純に金額へ置き換えることが難しい場合があります。
その場合には、
など、リスクの性質に応じた対応を検討します。
したがってDDの重要なポイントは、
「問題を見つけること」ではなく、「見つかった問題をM&A条件へどのように反映するか」
にあります。

DDにはさまざまな種類があります。
代表的なものとして、
などがあります。
しかし、すべてのM&Aでこれらをすべて実施する必要があるわけではありません。
中小M&Aガイドラインでも、どの調査を実施するかは買手の意向によるとされ、想定されるリスク全般を調査する場合もあれば、対象事項を限定して簡易的に行う場合もあると説明されています。
つまり、
「DDでは何を調べるべきか」ではなく、「このM&Aで何を確認しなければ投資判断ができないのか」
から考えることが重要です。
財務DDでは、対象会社の財務状況や収益力などを確認します。
代表的な調査項目として、
などがあります。
特に重要なのが、決算書上の利益と会社の実態的な収益力が一致しているかという点です。
中小企業では、
などが含まれていることがあります。
そのため、単純に決算書の営業利益だけを見るのではなく、買収後も継続すると考えられる正常な収益力を確認することが重要になります。
税務DDでは、対象会社の税務上のリスクを確認します。
たとえば、
などを確認します。
過去の税務処理に問題があれば、買収後に追徴課税等が発生する可能性があります。
株式譲渡では対象会社自体がそのまま存続するため、過去に発生した税務リスクを買手が間接的に引き継ぐ可能性がある点にも注意が必要です。
法務DDでは、対象会社の法律関係を確認します。
代表的には、
などを確認します。
M&Aで特に重要になるのが、重要契約に含まれるCoC条項です。
株主が変更された場合などに、
といった条項が定められている場合があります。
重要な取引先との契約にこのような条項が存在すれば、M&A成立後の事業継続にも影響する可能性があります。
ビジネスDDでは、対象会社の事業そのものを分析します。
たとえば、
などです。
財務DDが「これまでの数字」を確認する性格が強いのに対し、ビジネスDDでは、
「この会社が今後も利益を生み続けられるのか」
という将来性を検証することが重要になります。
人事・労務DDでは、従業員や労務管理に関する事項を確認します。
たとえば、
などです。
特に人材獲得を目的としたM&Aでは、人事・労務DDの重要性が高くなります。
DDで最も重要な考え方の一つが、買手の投資目的から調査項目を逆算することです。
たとえば、買手がM&Aを行う最大の目的が、
「事業拡大のため、一度に多数の従業員を確保したい」
というものであったとします。
この場合、対象会社の最大の価値は人材です。
そうであれば、
といった人事・労務DDが重要になります。
反対に、人材獲得を目的としているのに、重要度の低い項目へ大量の時間と費用を投入しても、投資判断に必要な情報が十分に得られない可能性があります。
DDでは、「対象会社のすべてを調べれば安全になる」と考えがちです。
しかし、現実には対象会社のすべてを完全に調査することは困難です。
時間にも費用にも限界があります。
さらに、資料だけでは確認できない事項もあります。
そのためDDでは、
重要性に応じて調査範囲を絞ること
が必要になります。
中小M&Aガイドラインでも、DDは想定し得るリスク全般を調査する場合だけでなく、対象事項を限定して簡易的に実施する場合もあり、中小M&Aでは数年分の税務申告書の確認や経営者へのヒアリングなどにとどめるケースがあるとされています。
したがって、
DDの品質=調査項目の多さ
ではありません。
重要なのは、
「この投資判断で絶対に確認しなければならない事項は何か」
を特定し、そこへ調査資源を集中することです。

買手によって投資基準は異なります。
そのため、同じ会社を買収する場合でも、買手によってDDの重点は変わります。
たとえば、人材獲得が目的であれば、人事・労務DDを重視します。
顧客基盤の獲得が目的であれば、
などを重点的に確認します。
技術や知的財産の取得が目的であれば、
などが重要になります。
不動産を多く保有する会社であれば、不動産の権利関係や評価、担保設定などの重要性が高くなります。
つまり、DDは決まったチェックリストを上から順番に消化する作業ではありません。
「なぜこの会社を買うのか」から逆算して、調査項目に優先順位を付けることが重要です。
DDは買手自身で行うこともできますが、一般的には調査内容に応じて外部専門家を利用します。
たとえば、
財務DD・税務DD
→ 公認会計士・税理士等
法務DD
→ 弁護士
人事・労務DD
→ 弁護士・社会保険労務士等
ビジネスDD
→ 買手自身、コンサルティング会社、業界専門家等
といった形です。
中小M&Aガイドラインでも、通常は買手がFAや士業等の専門家へDDの実施を依頼するとされています。
ただし、外部専門家へ依頼すればよいというだけではありません。
専門家は各分野のリスクを分析できますが、
「そのリスクを踏まえて会社を買うべきか」
という最終的な投資判断を行うのは買手です。
外部専門家へDDを依頼する最大のメリットは、専門的な知識を利用できることです。
たとえば、法務DDであれば弁護士、財務・税務DDであれば公認会計士や税理士など、それぞれの専門家によって、自社だけでは発見しにくい問題を確認できます。
さらに、会社がM&Aを実施する場合には、もう一つ重要な意味があります。
それが、取締役の意思決定プロセスを適切なものにすることです。
M&Aは会社にとって多額の資金を投じる重要な経営判断になることがあります。
買収後に巨額の損失が発生すれば、
「なぜこの会社を買収したのか」
「買収前に十分な調査を行ったのか」
「専門家の意見を確認したのか」
といった点が株主等から問題視される可能性があります。
そのため、重要なM&Aでは、外部専門家によるDDを実施し、その調査結果を踏まえて取締役会等で投資判断を行うことが、意思決定プロセスの合理性を支える一つの要素になります。
ここは重要な点です。
外部の公認会計士や弁護士へDDを依頼したからといって、取締役の責任が自動的になくなるわけではありません。
外部専門家の起用は、
「必要な専門調査を実施した」
という意思決定プロセスを支える事情にはなり得ます。
しかし、
「専門家に任せたので経営陣は何も確認していない」
という状態でよいわけではありません。
買手の取締役としては、
などを踏まえて最終的な経営判断を行う必要があります。
したがって、外部専門家へのDD依頼は、単なる「責任逃れ」のためではなく、適切な情報収集と合理的な意思決定プロセスを構築し、結果として取締役の善管注意義務違反等を巡るリスクを低減する意味を持つと考える方が正確です。
DDの具体的な進め方は案件によって異なりますが、一般的には次のように進みます。
まず買手側で、
「このM&Aで何を確認する必要があるのか」
を整理します。
次に、対象会社へ必要資料を依頼します。
資料はVDR(バーチャルデータルーム)などへ格納し、買手や専門家が確認します。
資料を確認するなかで不明点があれば、Q&Aを通じて対象会社へ質問します。
必要に応じて、
なども行います。
そして、発見された事項について重要度を整理します。
最終的には、
という投資判断につなげます。
DDはレポートを作成して終わりではありません。
発見された問題を最終的な取引条件へ反映して初めて、DDの結果がM&A実務に生かされます。
たとえば、DDで問題が発見された場合には、
企業価値や株式価値に直接影響する問題であれば、買収価格を調整します。
重要な契約の承諾取得など、クロージング前に解決できる問題であれば、売手側に対応を求めることがあります。
問題が解消されなければM&Aを実行しないという条件を最終契約へ入れる方法です。
一定の事実について、売手に「正しい」と表明・保証してもらう方法です。
特定の問題によって買手や対象会社に損害が生じた場合の負担を、最終契約で定めます。
リスクが大きすぎる場合には、買収そのものを見送ることも投資判断です。
つまり、
DD → リスク発見 → リスク評価 → 条件交渉 → 最終契約
までが一連のプロセスです。
DDの目的は、必ず問題を発見することではありません。
これまで売手から開示されていた情報と実態に大きな相違がなく、重大なリスクも発見されない場合もあります。
その場合には、
「基本合意までの投資判断の前提がおおむね正しかった」
ことを確認できたことになります。
基本合意時に想定していた価格や条件をベースとして、最終契約交渉へ進むことになります。
つまりDDは、
問題を見つけるためだけの作業ではなく、問題がないことを一定範囲で確認する作業
でもあります。
DDを実施しても、すべてのリスクを発見できるわけではありません。
調査できる期間や資料には限界があります。
また、
などについては、DDだけでは把握できない可能性があります。
だからこそM&Aでは、
DDだけですべてのリスクを排除するのではなく、DDで確認できないリスクを最終契約の表明保証・補償・前提条件などによって補完する
という考え方が重要になります。
M&Aにおいて、主に買手が対象会社の財務・税務・法務・事業・人事労務などの実態を調査するプロセスです。
中小企業庁も、主に買手が売手側の財務・法務・ビジネス・税務等の実態を調査する工程と説明しています。
重要な目的の一つは、基本合意までの投資判断で前提としていた情報が実態と一致しているかを確認することです。
さらに、投資リスクを把握し、買収価格や最終契約条件を決定するためにも利用します。
基本合意の段階で、売手と買手がある程度の条件感について認識を合わせ、その条件を前提として買手が費用をかけて本格的な調査へ進むためです。
基本合意で独占交渉権を設定したうえでDDへ進むケースがあります。
投資判断のために対象会社の実態やリスクを確認することが本来の目的です。
一方、実務上はDDで発見された問題が、価格変更や表明保証、補償などの条件交渉の材料になるため、「問題点を探す」という側面もあります。
財務、税務、法務、ビジネス、人事・労務、ITなどが代表的です。
ただし、すべてを一律に調査するのではなく、買手の投資目的や対象会社のリスクに応じて調査範囲を決めることが重要です。中小M&Aガイドラインでも、どの調査を実施するかは買手の意向によるとされています。
必ずしもありません。
時間と費用には限界があるため、投資判断上重要な項目に調査範囲を絞ることがあります。
中小M&Aでは、数年分の税務申告書や経営者へのヒアリングなどに限定した簡易的な調査が行われる場合もあります。
人事・労務DDの重要性が高くなります。
従業員数だけでなく、スキル、年齢構成、キーパーソン、離職率、給与水準、雇用契約、未払残業代などを確認し、買収後も必要な人材を確保できるか検討します。
買手自身に加えて、公認会計士、税理士、弁護士などの外部専門家を利用することがあります。
中小M&Aガイドラインでも、通常、買手がFAや士業等の専門家に調査を依頼するとされています。
専門的な知識を利用してリスクを発見できることが大きなメリットです。
また、重要なM&Aについて、必要な専門調査を実施したうえで意思決定したというプロセスを構築することは、取締役の善管注意義務等を巡るリスクを低減する観点からも意味があります。
ただし、専門家へ依頼しただけで取締役の責任がなくなるわけではありません。
問題の内容によって、
・買収価格の変更
・表明保証
・補償条項
・クロージング前提条件
・クロージング前の問題解消
・取引スキームの変更
・M&Aの中止
などを検討します。
できません。
DDには時間・費用・開示資料などの限界があるため、すべてのリスクを発見できるわけではありません。
そのため、DDで確認できないリスクについて、最終契約の表明保証や補償などで対応することも重要です。
デューデリジェンス(DD)とは、M&Aにおいて、主に買手が対象会社の実態を調査し、最終的な投資判断を行うためのプロセスです。
DDの目的を理解するうえで重要なのが、基本合意との関係です。
基本合意の段階では、買手と売手の間で一定の条件感が共有されています。
つまり買手としては、
「これまで開示された情報が正しいのであれば、この条件を前提としてM&Aを進めたい」
という状態です。
そこでDDを実施し、
「これまで投資判断の前提としていた情報が、本当に対象会社の実態と一致しているのか」
を確認します。
そして問題が発見された場合には、
DD
↓
問題・リスクの把握
↓
投資判断
↓
価格・条件の再交渉
↓
最終契約への反映
という流れで対応します。
その意味で、DDには対象会社の問題点を探し、価格や契約条件を交渉する材料を得るという実務的な側面もあります。
また、DDでは対象会社のすべてを調査することはできません。
重要なのは、
「何を調べられるか」ではなく、「このM&Aの投資判断には何を確認する必要があるのか」
という視点です。
人材獲得が目的なら人事・労務。
顧客基盤が目的なら顧客や契約。
技術取得が目的なら知的財産や技術者。
対象会社の収益力が重要なら財務・ビジネス。
このように、買収目的と投資基準から逆算してDDの範囲を設計することが重要です。
さらに、公認会計士や弁護士などの外部専門家を利用することには、専門的なリスクを発見するだけでなく、重要なM&Aについて合理的な意思決定プロセスを構築する意味もあります。
ただし、専門家へDDを依頼したからといって、買手経営陣の判断責任がなくなるわけではありません。
最終的には、
を買手自身が判断する必要があります。
DDは単なる調査ではありません。
基本合意までに形成された投資判断の前提を検証し、「この会社を、この条件で本当に買うのか」を最終判断するための重要なM&Aプロセスです。