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上場株式の相対売却において、株主・対象会社・買手の立場を調整しながら譲渡を実現した事例

上場株式の相対売却において、株主・対象会社・買手の立場を調整しながら譲渡を実現した事例

案件概要

対象上場会社株式
立場セルサイドFA
売主10%超を保有する
株主兼取締役
売却目的保有株式の現金化

結果

主な論点市場価格への影響
重要課題出来高を踏まえた
売却方法の検討
支援内容相対譲渡先の探索
成果市場影響を考慮した
譲渡方法を支援

上場会社の株式を10%超保有する株主兼対象会社の取締役による株式売却案件において、セルサイドFAとして関与しました。

本件は、売主が保有する上場株式を現金化したいというニーズを背景に、市場での売却ではなく、出来高や株価への影響も踏まえて、相対で譲渡できる相手先を探索する案件でした。

上場株式の売却では、市場内での処分が常に最適とは限りません。

特に、一定規模以上の株式を保有している場合には、出来高との関係から市場価格への影響が大きくなることもあり、相対取引による譲渡が現実的な選択肢となることがあります。本件も、まさにそのような前提のもとで進められた案件でした。

目次

本件では、買手候補として有力だったのは、いずれも同上場会社の筆頭株主2者でした。
一方は創業者の資産管理会社、もう一方は対象会社の買収も検討している事業会社です。
両者に提案を行ったところ、いずれも買い取りに関心を示しましたが、単純な価格比較だけでは結論を出しにくい状況でした。
というのも、事業会社側の提示金額の方が高かった一方で、対象会社側はその事業会社の考え方や将来構想を必ずしも前向きに評価しておらず、企業価値向上の観点から望ましい相手とは見ていなかったためです。
そのため、本件では

  • 株主として、より高い価格で売却したいという視点
  • 対象会社の取締役として、誰に株式が渡るのかを重く見る視点
  • 買手として、自らの立場や戦略に沿って取得したいという視点
    が交錯する構図となっていました。

一般に、株式譲渡では価格条件が重要な判断材料になります。
しかし、本件のように、売主が対象会社の取締役でもある場合には、単に高く買ってくれる相手が最適とは限りません。
株主としての経済合理性と、対象会社の役員としての立場が、必ずしも同じ方向を向くとは限らないからです。

また、買手候補がいずれも対象会社にとって重要な株主である以上、誰に売却するかは、単なる株主間取引にとどまらず、その後の資本関係や経営への見られ方にも影響を及ぼします。
そのため、本件では、価格だけでなく、対象会社との関係、売主の立場、売却後の納得感まで含めて整理する必要がありました。

守秘の都合上、具体的な解決策の詳細は記載できませんが、本件では、当初の対立構造をそのまま価格交渉で解決するのではなく、別の視点から整理を行うことで、最終的には三者が納得できる形で売却を実行することができました。

本件は、上場株式の相対売却において、単に「誰がいくらで買うか」だけではなく、売主の立場、対象会社との関係、買手候補の意向をどう整理するかが重要な論点となった案件です。
上場株式の売却は、流動性があるからこそ単純に見えやすい一方で、保有比率や売主の立場、相手先との関係によっては、慎重な整理が必要になる場合があります。
本件は、そうした上場株式売却の難しさと、相対取引における調整の重要性が表れた事例でした。

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