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希望価格と相場の乖離を埋めるため、1年半のバリューアップを経て譲渡を実現した事例

歯科材料のイメージ

案件概要

業種歯科材料の製造・販売
立場セルサイドFA
売却目的親会社の資金調達
支援期間 約1年半

結果

希望譲渡価格4億円
当初企業評価約3億円
買手初期評価2.5億から3.2億円
最終譲渡価格4.2億円


本件は、親会社の資金調達を目的として子会社売却を行う案件でしたが、売主の希望譲渡価格と当初の企業価値評価、さらに買手候補者からの初期評価との間に大きな乖離がありました。

また、買手候補者から意向表明書を集めた段階でも、価格レンジは2.5億円から3.2億円程度にとどまっており、そのまま売却を進めても希望条件での成約は難しい状況でした。

そこで本件では、早期売却を優先するのではなく、将来的な企業価値を高めるためのバリューアップ施策を先行させたうえで、改めて売却を実行する方針を採りました。

依頼者も、スピードより価格を優先するとの決断でした。
結果として、約1年半のバリューアップコンサルティングを経て、最終的に4.2億円での譲渡を実現しました。

目次

本件では、売主側としては親会社の資金調達という明確な目的があり、譲渡価格4億円を希望していました。
しかし、企業価値評価上は3億円程度が妥当と考えられ、さらに買手候補者から取得した意向表明書でも、2.5億円から3.2億円の水準にとどまっていました。
このような状況では、単純に候補先を増やすだけでは価格のギャップを埋めることは難しく、価格交渉だけで希望条件に近づけるにも限界があります。
そのため、本件では「今売るか」ではなく、「どうすれば4億円水準の評価に近づけるか」という観点から、案件の進め方自体を見直しました。

資料とグラフのイメージ

売却価格を引き上げるためには、買手候補者が将来的な収益改善や成長余地を具体的にイメージできる状態をつくることが重要でした。
そこで、買手候補者へのインタビューや財務・ビジネスDDを通じて、どのポイントが企業価値に直結するかを整理し、将来的なキャッシュフロー向上につながる施策に絞って、ハンズオンでのコンサルティングを行いました。
具体的には、従業員の高齢化が進んでいたため、採用環境と採用導線の整備を進めました。

また、販売面では販路の安定性と拡張性を高めるため、大手歯科グループとの基本契約締結を実現しました。
これらの施策により、単なる足元の業績ではなく、今後の収益力向上を合理的に説明できる状態を整えました。

結果として、買手候補者に対して将来のキャッシュフロー改善を具体的に示すことが可能となり、当初の相場観を上回る評価につなげることができました。

本件は、当初の依頼から成約まで約2年を要した長期案件となりました。

短期間での成約を目指すのではなく、価値を高めるための準備期間を設けたことで、最終的には4.2億円での譲渡を実現しました。

M&Aでは、必ずしも早く売ることが最善とは限りません。
特に、希望価格と市場評価に乖離がある場合には、その差を交渉だけで埋めるのではなく、事業の見せ方や実態そのものを改善することで、企業価値の説明可能性を高めることが重要です。

本件は、企業価値評価、買手候補者の目線、将来のキャッシュフロー向上施策を丁寧に整理しながら進めることで、希望条件に近い水準での成約を実現した事例です。

M&Aギルドでは、このように価格交渉だけに頼らず、案件ごとに最適な進め方を検討しながら、依頼者の意思決定を支援しています。

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